米国では相続税でなく遺産税という理由
米国では遺産税という名の通り、亡くなった方(被相続人)の遺産全体に対して相続税がかかります。
それだけ聞くと「日本も同じではないのか?」と思われるかもしれませんが、日本の場合は遺産全体というよりも取得した相続人が取得した財産に対して、それぞれが申告納税するのです。相続税法27条では「相続人ごとに申告するのが決まりだが、複数いる場合は共同提出できる」と規定されています。
もめている相続などでは相続人ごとに申告書を提出する場合がありますがこれは特例ではなくむしろ本来の形なのです。
米国では被相続人に相続が開始するとプロベートという相続手続きが開始し、その中で債務整理の一環として相続税の申告納付が行われ相続人には課税済みの財産が分配されるため改めて相続人が申告する必要がないのです。
日本の相続税に対して米国の遺産税という表現はここからきています。(ハワイ州のように遺産税とは別に独自に相続人に納税義務が生じる相続税が導入されている州もあります)
現在の米国での相続税の基礎控除は13ミリオン(約20億円)のため納税割合は0.05%となっており日本の9.9%と比べると200分の1、どうりで米国相続税に詳しい専門家が少ないわけです。
文責:税理士 内藤